Cross Talk
~部署の垣根を超えて

Stories #03

  • Y.Cさん [2003年入社]

    品質保証室 室長

    プロフィール

    入社前、特別研究員として王子製紙(現王子ホールディングス)研究プロジェクトに参加。入社後は、研究開発本部(現王子ホールディングス)、Oji Paper(Thailand)Ltd.海外駐在、2017年 当社品質保証室を経て、2023年4月より同室長となる。

  • R.Iさん [2009年入社]

    製造部プロセスイノベーショングループ(以下、PIGP)

    プロフィール

    神崎工場 製造部第三製造課 現場作業員を経て、2021年4月より製造部PIGP所属。

  • K.Mさん [2018年入社]

    製造部 第三仕上課 フィルム感熱仕上部門

    プロフィール

    神崎工場 製造部第三仕上課フィルム感熱仕上部門 現場作業員を経て、2020年5月より同部門の管理業務全般を担当。

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そこで働くみなさんが今、気になっている変化とは?

~時代にあった安心・安全な製品開発を~

R.I原材料調達でしょうか。日本を含め取引先国の法律が変われば、これまで使えていたものが使えないなど、代替品を探さなければ、というケースもあるので対応が難しいです。

Y.C私たちの作っている製品は、感熱紙、フィルム感熱、インクジェット紙、粘着紙などがありますが、製品一つ一つは薄く見えても何種類もの材料を組み合わせて作っていますからね。

R.Iそうですね。紙やフィルムなどの基材に塗料(原材料を混ぜたもの)を塗工します。原材料が何百とある中で、どれを選ぶかという点では大変な苦労をしています。

Y.C利便性の向上や新しい用途の開発ももちろんですが、その中でも安全性が一番大事です。これまでも環境やお客様の安全に配慮した原材料調達を行ってきましたが、今後はますます重要になるでしょう。
原材料の安全審査では、自社基準をしっかり持っていますが、加えてお客様からのグリーン調達などの要求もありますので、多くのお客様に納得してもらい、自分たちもその背景をよく理解した上で「もの作り」をすることが大切ですね。

K.Mお客様からの使用素材の安全性の調査依頼が増えています。安心・安全な製品をお届けすることが大切だな、と自分の肌でも感じています。リサイクルマークの変更などの理由から包装材料についても厳しくなり、輸出国に合わせて印刷仕様が変わるので、品質保証室の皆さんと頻繁にやりとりしますね。

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Y.Cそうですね。輸出先によってリサイクルの分類が違うため、その表示も様々です。

R.I今後は環境対応など、法律の厳しい国々に倣っていくでしょう。使用する原材料一つでも、他国で使用が難しくなれば、我々も先回りして準備しないといけませんね。

Y.C以前はその法規制の見直しが緩やかでしたが、環境意識の高まりなど、最近は短期間での対応が必要になります。社会意識や環境リスクなど、世の中の流れをキャッチし、お客様のニーズに合った製品作りを心掛けています。
現在、開発部門では、材料探しに力を入れています。今後は、サステナブルマテリアルを意識して、石油由来のプラスチックからバイオマス由来への材料変更や、生分解性材料を積極的に取り入れる必要があります。バイオ原料は品質の安定性が難しいのが課題ですが、それでも上手に使わないといけません。当社は、欧米・アジアなど世界各地に拠点があるため、業界動向や法規制などを各地の仲間と共有できることは、大きな強みです。

プラから紙からへ

~お客様も自分たちも納得する「もの作り」を~

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Y.C新製品の提案や材料の開発に力を入れていく上で、お客様はもちろんですが、これからは研究開発部門も「こういうものを作りたい」というように、自分たちも納得する主体性のあるもの作りに変化していくことが必要だと思います。例えば薄くて柔らかくて軽くて、しかも強いものが欲しいとか。
そんな中、昨年弊社では、プラスチックに代わる新素材の半透明感熱紙、「セミスルー」を開発しました。この製品のメインの素材はグラシンやグラファンを応用した半透明な紙でできています。

R.I薄い紙への塗工技術や塗料の処方、それが一番難しいです。実用化やコスト面などももちろん意識しつつですからね。でも、脱プラの観点から、プラスチック軟包材に代わる紙化製品の新規開発は、今後もますます進めていかなければいけません。

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K.Mお菓子の包装やストローなど、プラスチックを紙に変えて行こう、という動きですね。

Y.Cそうですね。紙に機能性を付加して、プラスチックのように光や空気を通さずに品質を維持するような製品とか。

R.I環境意識から色んなものがプラスチックから紙へと変わりつつありますね。「すべてをプラから紙に」というのは、少し時間がかかるでしょう。紙単体ではバリア機能がないので、何層もの材料を構築させる技術が必要ですね。

Y.C基材にさまざまな材料を塗工し、色々な機能を付加するという技術、これは当社の強みです。紙とフィルムの特性が全然違うので塗料設計は重要ですね。ですので、PIGPはうちの頭脳ですよ。

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現在の夢とキャリアビジョン

~何事にも前向きに取り組みたい~

K.M私はまだ社歴が浅いですが、色々な経験をさせていただいています。今は「もの作りセミナー」という社内研修に参加しています。この研修では、各部署から集まった12人が意見交流や座学の講義を受けるものです。せっかくの機会なので、部署の垣根を越えて先輩たちから色々吸収し、現場に還元できるようになれたらいいなと思っています。チャレンジすることが好きなので、この研修を通して、他の部署のことをもっと理解し成長したいです。

~パイプ役としてより円滑に業務を進め、成長したい~

R.IPIGPは、「研究技術部」として独立していた部署を業務の迅速化や対応力の強化のために組織変更し、製造部管轄となった部門です。製造現場の経験があるので、現場とのパイプ役として「間に立って話す」という姿勢で仕事をし、他部署とのコミュニケーションを通して、ストロングポイントを磨いていきたいです。製造現場の頃は他部署との交流が少なかったのですが、今は工場内の各部署に相談に行く機会が増えています。現場で頼りにされるためにも、担当している紙感熱やフィルム感熱の他に、粘着加工分野の知識を深めていきたいです。10年以上いてもまだまだ知らないことは多いですよね。

~個々のスキルアップやイノベーションが期待できる会社を~

Y.C私は、できるだけ多くの視点から物事を見ることができるようになりたいです。長く同じ仕事を続けていれば、その分上達はしますが、現状に満足してしまう場合もありますよね。そこに、違う視点を入れることを提案したいです。多様な価値観と発想が企業の競争力強化に繋がるため、普段現場にいない私にとって、製造部の考え方を知ることは新鮮ですから、他部署との関わりはとても大事です。「品質保証室」は品質管理が仕事ですが、「これではダメですよ」だけでは、対策にも改善にもならないので、品質向上を目指す新たな視点も必要になると思っています。なるべく現場の負担が大きくならないように作り方を変えたり、品質不良を減らせるように製造工程から提案したりすることで、改善されるものもあるでしょう。

元々ダイバーシティを大切にして働きやすい環境ですが、これからは社員一人一人の価値観が互いに尊重され、意識や目標を持ってスキルアップ、イノベーションが期待できる会社になっていくと思います。

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